ごみ焼却時のCO2回収実験スタート 佐賀市、農業利用など模索 [佐賀県]
2013/10/23
ニュース
佐賀市清掃工場(同市高木瀬町)で、ごみを焼却した際に発生する排ガスから二酸化炭素(CO2)を回収する実証実験が始まった。CO2は光合成を促すことから園芸農業への利用を目指しており、ダイオキシンなど有害物質を含まない高純度のCO2が回収可能かどうか、来年3月まで成分の分析を続ける。
福岡県大牟田市の火力発電所のCO2回収装置を開発した東芝と九州電力などとの共同研究。佐賀市によると、工場そばに実証プラントを設置。焼却後、大気中に放出するためダイオキシンや塩化水素など有害物質を国の基準値以下に除去した排ガスの一部を取り込み、特殊なアルカリ水溶液をガスに混ぜて冷却と加温を繰り返し、CO2を分離させる。純度99・9%の回収を目指すという。
佐賀市はイチゴなど園芸農業が盛ん。CO2は野菜や果実の生育を促したり、甘みを強くしたりする効果があり、地球の温暖化防止も目的に実証実験に取り組むことにした。CO2の純度や安全性を確認し、来年度から農業で実験を始め、健康食品やバイオ燃料への利用研究が進む藻類の一種ミドリムシの培養への活用も検討する計画。市バイオマスエネルギー戦略室の井口浩樹室長は「CO2の用途が広がれば、新たな産業創出につながる」と期待する。
出典:西日本新聞