ごみ焼却場 使用を5年延長
2011/04/01
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今年度末で停止するはずだった岐阜市南部のごみ焼却場の使用期限を5年間延長し、2015年度末まで稼働することが29日、決まった。焼却場を運営する岐阜羽島衛生施設組合(管理者=細江茂光・岐阜市長)は今後、羽島市での新施設建設を進めるが、地権者の反対もあって難航する可能性もある。
組合によると、岐阜市南部の焼却場は1991年に建て替えに入り、95年に稼働した。建て替えの際、「次に改築する10年度末には焼却を停止し、現地以外の場所に建設するよう最大の努力をする」との覚書を地元自治会など6団体と交わした。
ところが新施設の候補地が決まった06年、準備不足で稼働が遅れることが分かった。組合は09年2月、住民に覚書の期限を守れないことを謝罪し、稼働期間の5年延長を申し入れた。延長に反対する署名活動も起きたが、組合と住民が交渉を重ね、合意した。
新しい覚書は、「16年3月末で完全に焼却を停止する」。前回と違って「努力する」との文言はなくなった。さらに「焼却停止後は速やかに解体する」とし、再延長は100%認めない内容だ。
5年間の稼働延長で、組合は焼却炉改修といった維持管理に約15億円を費やす。地元対策の公民館整備などには約1億1千万円の支出を見込む。費用は、組合の構成団体である岐阜市、羽島市、笠松町、岐南町が負担する。
新施設は約120億円をかけて、羽島市下中町に建てる予定だ。延長期限が切れるまでに稼働が始まらない場合、ごみ処理が滞りかねない。羽島市は新年度から用地買収担当のチームを作り、組合も建設準備に携わる職員を8人に倍増させて取り組む。
ただ、候補地選定の経緯に疑問を抱く地権者らが建設に反対し、買収交渉は足踏み状態。羽島市、組合とも「絶対に11年度中に買収を終える。もし、ということは考えない」と繰り返している。
出典:asahi.com