ごみ埋め立て減で“延命” 熊本市の最終処分場
2014/01/06
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熊本市のごみ処理施設の焼却灰や家庭から出る埋め立てごみを埋め立て処分している扇田環境センター(北区貢町)。市の最終処分場はこの1カ所しかなく、新たな候補地もないことからいかに“延命”させるかが課題となっているが、ごみの減量や処理技術の進歩で年々埋め立て量は減少。当初予定の「2027年度まで」を「かなり延長して使える可能性」(市廃棄物計画課)が高まっている。
センターは1984年から埋め立て処分を開始した。当初の埋め立て地(158万立方メートル)は07年に役目を終え、現在は03年完成の新埋め立て地第1期分(60万立方メートル)を使用中。新埋め立て地には第2期分(90万立方メートル)も13年に完成している。
センターでは市内2カ所のごみ焼却施設の灰と、家庭の「埋め立てごみ」などを埋め立てている。年間の埋め立て量は、07年度の4万6614トンに対し、11年度は3万1865トンで、4年間で約3割減った。
埋め立て量の軽減に貢献しているのが、総量の約7割を占める焼却灰の減少だ。
市は09年に「有料ごみ袋」を導入。翌年にはプラスチックの分別回収も始めた。これに伴い、市民1人1日当たりのごみ排出量(事業ごみ含む)は07年度の1163グラムから、11年度は976グラムと約2割減少。「燃やすごみ」が減ったことで、埋め立てた焼却灰も07年度の39751トンから11年度の25693トンと3割以上減った。
一方で、埋め立てごみも減少が続く。家具や家電などは以前はそのまま埋め立てていたが、05年に「破砕器」を導入。粉々に砕き、磁石で金属と燃やせるその他の部分に分別。「埋め立てるごみは、陶磁器やリサイクルできない古い缶、割れた瓶くらい」(同センター)という。
分別の徹底で最終処分場の寿命は大きく伸びそうだが、いつかは満杯になる。新たな埋め立て地の建設については「予定していないし、用地確保も困難」と市廃棄物計画課。
市は「今後も新技術の導入や減量を進め、できるだけ扇田のセンターを長く使う」工夫をする一方、「焼却灰を建設資材にリサイクルするなど焼却炉も技術革新が進んでいる」として、新技術導入や分別徹底で将来の“ごみゼロ”も視野に入れている。
出典:くまにちコム