ごみ再資源化実験へ 立川市
2009/10/27
ニュース
燃やさず炭素化 新装置導入を検討
立川市は、ごみを燃やさずに炭素化して再資源化する装置の実証実験を行う方針を固めた。老朽化が進む焼却炉の負担を減らすことができるのが装置導入の利点。同市は清掃工場(若葉町)の移転を迫られ、日野市との共同処理も模索しているが、暗礁に乗り上げていることが背景にある。
市によると、この装置は文京区の業者が2004年に開発した。窒素を注入して無酸素にした状態で、電気で発生させた約450度の熱でごみを分解するため、二酸化炭素やダイオキシンなどの排出をほぼゼロに抑えられる。煙が出ないため、煙突も不要だ。
熱分解してできた炭化物はコークスのような代替燃料や肥料に、プラスチックなど石油製品は重油相当の油として再利用できる。ただ、この装置を導入した自治体はまだないという。
市が装置の導入を検討し始めたのは今年6月。7月に装置を視察し、市幹部8人でつくる「非焼却等ごみ処理技術検討委員会」(委員長・大霜俊夫副市長)を庁内に設置し、この装置の導入を含めて非焼却施設について研究を進めている。
市の清掃工場は1979年から焼却炉2基で稼働を始め、一般的に20~30年といわれる耐用期限を迎えている。97年には焼却炉1基を増設した。
市は93年、地元自治会に対し、2008年までに移転させることを約束したが、移転先が決まらなかった。都は、立川市と、焼却施設の建て替えを計画している日野市でごみの共同処理を提案している。
実証実験では、実際に市内のごみを処理し、導入費や運用コスト、発生物の再利用方法などの検討を進める。原田晴司・市ごみ減量化担当部長は「新装置に期待している。新しいごみ処理のあり方を考えるきっかけにもなれば」と話している。
出典:読売新聞