「食品ロス」年4万トン削減可能 農水省が試算
2014/03/26
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農林水産省は25日、食品メーカーなどが飲料や菓子を小売店に納品する期限を延ばせば、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」が年間約4万トン減らせるとの実験に基づく試算を明らかにした。87億円分に相当する。
食品業界には賞味期限までの期間の3分の1を過ぎると小売店に納品せず廃棄する習慣があり、大量の食品が店頭に届かないまま無駄になっている。納品期限の延長が実現すれば、食品廃棄物の削減が期待できそうだ。
実験は昨年8月から今年1月末にかけ、食品メーカーや小売業者など35社が実施。飲料と菓子の納品期限を賞味期限までの期間の2分の1に延長し、変化を検証した。
この結果、流通段階での納品期限切れや、メーカーが納品しないまま廃棄する量が減少するなどの効果があった。1年間に削減される食品ロスの推計は、飲料が71億円相当の3万9384トン、菓子が16億円相当の1235トンに上るという。
飲料と菓子以外の業界でも今後、納品期限の延長効果を検証する予定。農水省の担当者は「企業に慣習の見直しを呼び掛け、食品ロス削減につなげたい」と話している。
農水省によると、2010年度に発生した食品廃棄物は1713万トンで、うち食品ロスは500万~800万トンと推計されている。
出典:日本経済新聞