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「都市鉱山」11%減 資源再生に機器小型化の逆風 13年度、海外での回収に活路

2014/09/03

ニュース

 廃棄されたパソコンや携帯電話などからリサイクルされる金属やレアメタルの量が減っている。2013年度に再生された鉄や銅、金など素材11種と部品は12年度に比べ11%減少した。電子機器の軽量・小型化でリサイクルに回る量が減った。従来型携帯からスマートフォン(スマホ)への買い替えが一巡した影響もある。素材企業は海外で再生資源回収に乗り出している。

 廃棄後に再生資源が取り出せる電子機器などは「都市鉱山」と呼ばれる。リサイクル業者らでつくる情報機器リユース・リサイクル協会(RITEA)は2日、13年度に都市鉱山から出た再生資源量を公表した。鉄や銅、金など素材11種と再利用された部品の合計は7010トンで2年ぶりに減少した。回収品からリサイクルできた割合「資源回収率」は89.5%で、調査を始めた09年度以降で最も高くなった。

 リサイクルされた素材別では鉄が前年度と比べて15%少ない。一方、アルミは8%増だった。鉄鋼相場が軟調に推移したことで鉄スクラップの需要が弱かった。製品の軽量化で鉄と比べ軽いアルミへのシフトも進んだ。

 調査対象の回収品はデスクトップパソコンやプリンター、携帯電話など14品目。エアコンやテレビなど家電リサイクル法の対象品や自動車は含まれない。

 国内の再生資源の発生は「ほぼ横ばいか、若干減少している」(DOWAホールディングス)。リサイクルを専門に扱う業者の採算が厳しいなかで、金は前年度から14%増の250キロになった。「リサイクル量が減るなかで、業者は回収の精度を上げて(価格が高い)金の量を増やした可能性がある」とRITEAは説明する。これまでリサイクル業者が見逃し、回収していなかった金を採取するようになった。

 国内の再生資源の発生量は今後も伸び悩むとみられ、素材企業には海外で再生資源回収に乗り出す動きが目立つ。三菱マテリアルは7月にパソコンの基板などの回収を担う部署を米国に新設した。「北米地域には廃基板などのリサイクル業者が多く、有望な市場」とみる。

 DOWAホールディングスは12年、シンガポールにリサイクル工場を設けた。「シンガポールのほかにも東南アジア各国に集積した工場から(再生資源を)回収する」と話す。

出典:日本経済新聞

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