「焼却飛灰」再利用 コスト削減狙う 加古川市
2013/10/22
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兵庫県加古川市は2014年度から、可燃ごみの焼却工程で生じる「焼却飛灰」を再利用し、セメントの原料化に乗り出す。飛灰を処理する電気溶融炉の運転・維持費を削減する狙い。浮いたコストでセメント原料化に必要な事前処理費などを賄うという。
21日に開かれた市会福祉環境常任委員会で明らかにした。市は「クリーンセンター」で、可燃ごみ約9万2千トン(本年度見込み)を焼却。その後に生じる飛灰約6千トン(同)を電気炉で処理し、「スラグ」と呼ばれる残渣と「溶融飛灰」に分類している。スラグは「大阪湾フェニックス処分場」で埋め立て、飛灰は民間会社に持ち込み、銅・亜鉛を取り出している。
電気炉は同センターの年間電力消費量の約3割を占め、市は東日本大震災で電力需給が逼迫した2011年夏以降、飛灰処理のあり方を検討。セメント原料に再利用する場合、電気炉が不要となり、14年度から年平均で約2億9千万円を削減できると試算した。
一方、セメント原料化には専門機関への搬送費や事前処理費を含めても約2億8千万円のコスト増にとどまる見込み。電気炉の操業コスト削減分で、必要な経費を確保できるという。同センターの田中克行所長は「(飛灰のセメント原料化で)スラグの埋め立て処分量が大幅に減らせる」としている。
出典:神戸新聞