「仙台市の処分妥当」廃棄物処理許可取り消し損賠訴訟/宮城
2009/04/24
ニュース
仙台市が廃棄物処理法の「黒幕規定」を関連会社に適用し、廃棄物処理業の許可を違法に取り消したため損害を受けたとして、宮城野区の廃棄物収集・処理会社「仙台エコポート」が市に約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は21日、同社の請求を棄却した。
潮見直之裁判長(足立謙三裁判長代読)は、法が「黒幕」を個人に限定しているのに、法人に適用した市の取り消し処分を違法とした上で、黒幕を個人に限る国の行政解釈が示されたのは処分後の2005年8月だった点を指摘。「処分時に解釈は明確化しておらず、従来の解釈で法人に規定を適用したのは、やむを得ない事情があった」と判断した。
黒幕規定は、許可を取り消された者が別の廃棄物処理会社の実質経営者になることを禁じ、同一経営者が支配する業者の許可は違反企業とともに取り消すことができるとしている。
判決によると、市は05年5月、埼玉県に業務許可を取り消された業者の親会社だった東京の会社が仙台エコポートにも約40%を出資していることを理由に、東京の会社が埼玉、仙台の両社に支配力を持つ黒幕だとして、仙台エコポートへの許可を取り消した。
仙台エコポートが処分取り消しを求めた訴訟は一、二審とも「東京の会社は黒幕ではない」と判断し、昨年2月には最高裁が市の上告を棄却。同社は許可取り消しで無駄になった機器リース料などの賠償を市に求めていた。
出典:河北新報