「うどん発電」開始へ/廃棄麺のメタンガス利用
2013/08/01
ニュース
産業機械メーカーのちよだ製作所(香川県高松市)は、廃棄うどんなどから電気を作る「うどん発電事業」を始める。廃棄麺を発酵させて作ったメタンガスを燃料に発電機を稼働させ、9月にも四国電力への売電を開始する。年間発電量は一般家庭約50世帯分に相当する18万キロワット時を見込む。発電プラントの販売も検討しており、年内の受注開始を目指す。
同社は、香川県内の製麺会社の工場から出る廃棄うどんを原料にバイオエタノールを生産している。ただ、エタノール生産後も残りかすが出ていたため、残りかすの有効活用策としてメタンガスを使った発電事業を発案。5月に、総工費約8千万円をかけ、同市香南町の自社敷地内に直径8メートル、高さ8メートルの発酵槽を備える発電プラントを建設した。
うどん発電は、エタノールの生産に使ったうどん1・5トンと、発電量を補うために飲食店などから回収した生ごみ1・0トンを1日分の燃料として使用。うどんや生ごみを入れた発酵槽の中を37度に保温することで、メタンガスを発生させ、発電機のタービンを回す燃料として活用する。
発電プラントを24時間稼働させることで、年間約700万円の売電収入を見込むほか、廃棄物処理業務の資格を取得したことで生ごみ収集による収入も確保。合計収益は1200万円程度になるという。
同社では、うどん発電事業をモデルケースに、発電プラントの受注生産も計画。年内の受注を目指している。
同社は「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度によって、事業としての採算が見込めるようになった。発電プラントも食品メーカーや畜産業者の需要が期待できる」としている。
出典:四国新聞社