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食品リサイクル 低調/佐賀

2010/05/17

環境省

 余った食べ物(食品残さ)を家畜飼料に作り替えて自給率向上を目指す「エコフィード」。食品業者に食べ物の再生利用を促す食品リサイクル法(2001年施行)を追い風に全国で広がっているが、県内で取り組むのは1業者だけ。

 再生コストの高さに加えて、県内で残さの供給源が見つからないことが、伸び悩みの理由と見られている。

 県内唯一のエコフィード事業所「九州食品工場リサイクル協同組合」は神埼市脊振町の山間にある。福岡、佐賀、熊本にある食品会社十数社から、日に約15トンの残さが運ばれてくる。

 多くが大手コンビニエンスストアの弁当など、工場で作りすぎた食べ物。トラックで運び込まれたご飯やパンくずが粉砕・乾燥され、次々と飼料に生まれ変わっていた。

 05年度に本格操業。ここ2年は処理量が落ちたが、年に残さ5千トンを売価1キロ30円の飼料に変え、宮崎や鹿児島県などの畜産農家に1500トンを販売している。

 宮崎県都城市でブランド豚「観音池ポーク」を生産している山元久司さん(39)のグループは年に40トンを購入。「フンが少なく、消化が良いようだ。値も安いので、農家としては助かる」と満足する。

 競合する輸入飼料は06年秋以降、バイオエタノール需要や投機が原因で高騰した。ピーク時には1キロ60円を超えており、割安のエコフィードに好機のはず。全国では197の事業所(09年1月現在)が営業しているのに、県内では1業者しかない。

 主因は再生コストの高さ。同組合は、大量の熱を使う乾燥作業で、週6日の営業日のうち重油を使うのは1日だけ。残りは、隣接する産業廃棄物処理場の廃熱を使ってコストを大幅に抑えている。

 組合の舩津武嗣・飼料化事業部長は、850度の熱が通る管を指さし、「これがなければ、うちはやっていけない。エコフィードは単独では難しい事業ではないか」と話す。

 県畜産協会は、08、09年度に中央畜産会から1300万円の補助を受けて「おから」の飼料化の試験を行った。牛や豚などに食べさせる試験で問題なかったが、コスト面では、「まだ推進できる状態にはなかった」という。

 養豚農家70戸を対象にしたアンケートでは、「ブランド肉に残さのイメージが合わない」など導入に消極的な意見もあったという。

 県畜産課は、残さの大口供給元が県内にないことも伸び悩みの一因とみる。供給元が分散すると、その分だけ運搬コストがふくらむ。一方、南九州では、大手酒造会社から出る大量の酒かすなどを使ったエコフィードが盛んだ。

 県は、230の食品業者に、発生する残さの量や種類、飼料化の可能性を尋ねたアンケートを元に、業者と農家の仲介に2010年度から乗り出すが、その予算はわずか24万円。

 その間、民主党は、エコフィードに取り組むために保冷車や保存容器を購入する業者への補助金を事業仕分けにかけ、予算削減を求めた。県の担当者は「食品リサイクルの発想はいいが、事業として長続きしないという状態から、いかに脱するかが求められている」と話す。

出典:asahi.com

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