震災のがれき、ごみを燃料化 静岡大の佐古教授ら開発
2011/05/27
環境省
静岡大工学部の佐古猛教授や県工業技術研究所などのグループは26日、津波被害で塩分を多く含んだ木くずなどを、高温高圧の亜臨界水で分解し粉末燃料に変える技術を開発したと発表した。
東日本大震災の被災地では、海水に漬かったがれきや生活ごみの大量処分の必要に迫られていることから、佐古教授は「被災地で活用してもらえれば」と提案する。
東日本大震災の発生を受け、同教授らは2008年度から開発に取り組んできた、廃プラスチックや生ごみから粉末燃料をつくる技術を改良。塩分濃度の高い木くずや生活ごみも燃料化できるようにした。
亜臨界水(180〜200度、10〜16気圧)の中に海水にぬれた木くずや生活ごみとともに、塩分の無いおがくずなどの有機廃棄物を加えて希釈。密閉状態の装置で水熱処理すると、ボイラーなどに利用できる塩分濃度の低い燃料を生成できるという。
現段階の装置では一度に処理できる木くずやごみは700キロで、石炭並みの発熱量を持つ燃料が約350キロ生成できる。今後は大型化を視野に入れる。
開発グループは「現地が受け入れてくれるのであれば、すぐにでも装置を持っていきたい」とし、被災地の自治体の意向を打診している。
出典:アットエス