陶磁器食器、使用済みを半分配合してリサイクル 岐阜
2011/07/12
環境省
使い終えた陶磁器食器を50%も含むリサイクル食器を、岐阜県セラミックス研究所(同県多治見市)と地元の製陶業者とが開発した。従来の配合率20%のリサイクル食器よりも窯で焼く温度(焼成温度)が低くていいため、燃料や二酸化炭素(CO2)の大幅な削減にもつながった。
この研究所は陶器の「美濃焼」の産地にある県の研究機関で、2000年に使用済み陶磁器食器(廃食器)を原料に20%配合した食器の製品化に成功。その後も、配合率を高める研究・開発を進めてきた。
リサイクルされるのは、多治見市のほか、北海道や東京都、奈良県などから運ばれる廃食器。土岐市の業者に運び込んで粉砕している。その後、陶磁器用の粘土に混ぜる。
配合率を最大90%まで上げて実験したところ、原料の粘り気が足りず、成形のときに生地が切れてしまった。試行錯誤の末、粘り気が強い粘土を見つけ、配合率は50%までなら大丈夫とわかった。
さらに、焼いたときの強度を保つために、廃食器や原料の一つの石英などを通常よりも細かく砕いて混ぜた。実験では、従来の食器よりも1.5倍以上の強度を得ることに成功した。
この実験を通して、一度焼かれた廃食器はガラス成分が多く、溶解温度が低いため、焼成温度も低く設定できることがわかった。通常は1250~1350度が必要だが、実験では1150度でも十分な強度が得られた。最大で33%の二酸化炭素が削減でき、燃料の節約につながったという。
出典:asahi.com