西尾興産、食品廃棄物を「1日15トン」飼料に
2012/02/06
環境省
廃棄物処理業の西尾興産(広島県呉市、西尾辰美社長)は生ごみやオカラなどの食品廃棄物を家畜の飼料にリサイクルする処理工場を呉市内に建設し、3日、完成式を開いた。微生物を活用して高速で発酵・乾燥させるシステムを導入し、1日あたりの処理能力を向上させた。食品加工業者や食品スーパーなどが排出する廃棄物を年4500トン処理する計画だ。
同社の「食品リサイクルセンター」は広島県の補助金を活用し、約2億6000万円を投じて建設した。14日に試運転を始め、今月下旬にも本格稼働させる予定だ。
リサイクル工場には廃棄物処理システムを製造するSTG(東京・中央)が開発した装置を導入。西尾興産の従来型装置の10倍を超える処理能力を持ち、1日15トンの食品廃棄物をリサイクルできる。
今回導入した装置は培養した特殊な微生物を用いるのが特徴。原料を投入すると微生物が廃棄物を発酵させ、装置内でかき回しながら乾燥させる。15トンを投入した場合、20時間運転するとさらさらの飼料が完成する。
西尾興産は2008年から呉市内の学校給食から出る廃棄物を飼料化している。今後は市内の食品工場やスーパーからも廃棄物を集めて飼料化し、養豚業者向けに出荷する。
出典:日本経済新聞