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産廃不法投棄、宇宙から監視 道と旭川市 衛星使いモデル事業

2009/05/10

環境省

 道と旭川市が今夏、人工衛星を使った産業廃棄物の不法投棄監視に乗り出す。本年度の環境省のモデル事業に選ばれたもので、地球観測衛星「だいち」が産廃処理場や過去に不法投棄があった場所を撮影。過去の画像と比較解析し、不法投棄の早期発見や摘発につなげる。

 衛星による不法投棄監視は昨年度、岩手県が全国で初めて行い、業者が処理場を無許可で広げたケースを発見するなど成果を挙げた。これを踏まえ環境省がモデル事業として全国に募集し、十道府県と四市が選ばれた。

 道と旭川市は事前に撮影場所を環境省に登録。「だいち」の画像データをもとに処理場の廃棄物蓄積状態や作業状況、不法投棄の有無を解析し、道や市が日常の監視活動で得た情報と照らし合わせ、不審な場合は立ち入り調査や行政指導を行う。

 道によると、画像一枚の撮影範囲は三十五キロ四方。道と旭川市はそれぞれ、年間八枚の撮影が可能で、画像に変化があった場合、約一メートルの範囲まで判別できる。道は道内三、四カ所の地点を設定。旭川市は一回の撮影で市内のほぼ全域をカバーできるという。

 道外から道内に搬入された産廃の量は、リサイクルして燃料になるプラスチック類を中心に、二〇〇三年の十万六千トンから、〇七年は二十万二千トンへと倍増した。道が確認した不法投棄も〇七年度に二十件、七千七百三十九トンに上り、監視員の巡回や上空からのヘリによる監視では不法投棄の発見に限界がある。

 道循環型社会推進課は「今回のモデル事業は一年限りだが、成果が得られれば、来年以降も継続したい」としている。

出典:北海道新聞

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