産廃の不法投棄、千葉が最悪
2009/03/31
環境省
環境省によると、不法投棄された産業廃棄物の残存量は全国で1633万トン(2007年度末時点)。都道府県別にみて最も多いのは千葉県の399万トンで、全体のおよそ4分の1を占める。三重県や宮城県、秋田県なども100万トンを超す。
発生原因の7割弱は建築系の廃棄物。千葉の場合、首都圏のビル解体などに伴って発生した産廃を処分する際の“受け皿”になっているとみられる。三重県も同様に関西や中部の大都市圏から運び込まれた可能性が高い。これらの地域は、手近な場所で安く産廃を処分してしまおうという悪質行為の犠牲になっているともいえそうだ。
産廃はそのまま放置すると水質汚濁や土壌汚染などを招きかねず、風評被害が広がる懸念もある。撤去などの対策には多額の費用が必要で、経済的な影響も大きい。
環境省は廃棄物処理法の改正による罰則や排出業者の責任強化、地域の監視体制の拡充などを進めてきたが、未然防止を一段と強化するため、09年度からは人工衛星を使った不法投棄の監視にも乗り出す方針だ。
出展:日本経済新聞