環境にやさしい熱海をPR ごみ再生事業が始動
2011/03/04
環境省
熱海市内の旅館やホテルから回収した古紙類をオリジナルのトイレットペーパーにリサイクルし、宿泊施設で使ってもらう「熱海温泉紙資源ごみプロジェクト」が、2日から本格的に始まった。「環境にやさしい熱海温泉」を発信し、観光地としてのイメージアップを図るのが狙い。
熱海温泉ホテル旅館協同組合など観光関係団体が中心になり、紙資源のリサイクルに取り組むのは全国でも初めて。
旅館やホテルでは、業務用の紙パックや箸袋、紙製ランチョンマット、古い観光パンフレットなどの紙類が大量にごみとして排出される。これまで熱海温泉ではこれらのほとんどを焼却処分していたが、昨年9月から毎月1回、試験的に古紙の回収を始め、2月までの6カ月間で3900キロになった。
今年3回目の回収日だった2日は、27事業所から1377キロの古紙類が市営熱海港駐車場内の回収センターに持ち込まれ、総回収量は計5277キロになった。
これらの古紙類は富士市内の製紙会社で3タイプのトイレットペーパー(高級・レギュラー・エコ)にリサイクルされ、回収量に応じて事業所に分配される。古紙1000キロからは4500個のトイレットペーパーができるという。
熱海温泉では、十数年前から旅館・ホテルで使った割り箸を回収しており、同じスタイルで古紙回収にも取り組む。プロジェクト実行委員長の森田金清・熱海市観光協会長は「いま回収を行っているのは市中心部の30軒ほどだが、市内全域の旅館やホテルにも参加を働きかけ、将来的には100軒ほどでやりたい」と、業界挙げてのプロジェクトとして位置づける。
リサイクルの過程では、トイレットペーパーを包む巻き紙の包装作業を市内の福祉作業所に委託。障害者の仕事づくりに生かすほか、熱海温泉オリジナルの巻き紙(3種類)のデザインを公募するなど話題性を高め、全国にアピールしていく。
出典:中日新聞