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熱触媒で医療廃棄物処理

2010/12/07

環境省

 世界初 滋賀医大が共同開発

 滋賀医大(大津市瀬田月輪町)は、使用済みの注射器や包帯など医療廃棄物について、熱触媒を利用して水と二酸化炭素に分解する「非燃焼型医療廃棄物処理機」を開発し、実用化に成功した、と発表した。同医大によると世界初。有機物については装置(縦3・6メートル、横2・6メートル、高さ4メートル)の中で分解がすべて完了し、環境への負荷も小さいという。

 同医大は学内から外部に出す廃棄物をなくそうと、草津市の電気機器メーカー「草津電機」と6年前から共同研究してきた。

 装置内の分解層に、顆粒(かりゅう)状(直径0・2ミリ)の酸化チタン約200キロを入れ、450~500度に加熱。樹脂類など有機物を入れると瞬時に酸化、分解される。連続投入すれば、反応熱で高温状態が持続され、外からの加熱も必要ない。分解できない金属が混じっていた場合は、分解層内のふるいで分別される。

 焼却施設で廃棄物を処理する通常の業者委託では、1200~800度の高温で燃焼させるため、二酸化炭素(CO2)が大量に発生する。この装置だと、廃棄物を詰めた段ボール箱(55リットル)で処理に要する時間は30~15分で、騒音や臭気は発生しない。病院内に設置すれば、CO2排出量も外部施設で処理した場合に比べ、約3割減らせるという。

 1基約4000万円で、静岡県の企業が製造、販売する。開発にあたった同医大外科学講座の谷徹教授は「大量受注できれば2000万円程度になる。国内だけでなく、ごみ問題が深刻化しているアジア諸国など世界中で、処理機を導入してほしい」と話している。

出典:読売新聞

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