焼却灰を再生砕石に 一般廃棄物リサイクル推進 日光の渡辺産業
2011/03/01
環境省
産業廃棄物中間処理の渡辺産業(日光市町谷、神山昌彦社長)は25日までに、一般廃棄物処理業の許可を取得し、焼却灰や溶融スラグを、砕石として再生するリサイクルする事業を始めた。
自治体の焼却施設が排出するものが対象で、「全国的にも先駆的な事業」と神山社長。自治体が保有する管理型最終処分場の使用可能期間を延ばすことや、処分経費の削減に貢献する環境ビジネス確立を目指す。
原料処理の過程で有害物質を土壌環境基準以下まで無毒化する特殊硬化剤やセメントを混入して加圧成型。その後に破砕して、焼却灰1トンが1トンの再生砕石に生まれ変わる。再生砕石は路床材に活用される。年間3千トンの受け入れを計画。焼却灰1トンあたりの受け入れ料金は1万7千円前後となる。
自前の管理型最終処分場を持つ自治体でも、満杯になった場合、次の建設用地を探すことは困難を極める。処分場を持たず、遠隔地の処分場に頼る自治体は運送費がかさむ。神山社長は「現有の処分場をなるべく長い期間使いたい、あるいは運送費を削減したい自治体の役に立ちたい」と、事業を立ち上げた。
同社は1969年に創業。砂利採取、販売業を主要事業としていたが、99年に産廃の中間処理業にも参入し、燃え殻、汚泥、がれきなどを再生砕石にリサイクルするプラントを導入。焼却灰も同じプラントで処理する。1日の最大処理能力は8時間稼働で175トン。
自社に有害物質の分析設備を備えるなど、以前から環境に配慮した事業展開に取り組んでいる。
出典:下野新聞