河川敷ごみ投棄急増
2010/06/04
環境省
国交省カメラで監視強化へ 名取川・広瀬川
仙台市や名取市を流れる名取川と支流の広瀬川河川敷で、ごみの不法投棄が目立っている。家具類やタイヤなど個人が捨てたとみられるごみが大半。国土交通省は、投棄が多い場所を特定し、今後はカメラを設置するなど監視を強化する方針だ。
同省仙台河川国道事務所が管理するのは、名取川の仙台湾の河口から12・5キロ・メートル、広瀬川が、名取川との合流地点から上流3・9キロの計16・4キロ。同事務所が週2回、巡視活動をした結果、2006年度は302件だったごみの不法投棄が、07年度は966件と3倍になり、08年度も957件。09年度も前半の半年で460件に上った。
08年度の種類別では、棚やビデオデッキなどの粗大ごみは270件(28%)、タイヤが141件(15%)、可燃ごみは136件(14%)を占めた。時期では、引っ越しの多い3~4月、夏用と冬用のタイヤを交換する3~6月、12~1月に目立って多いという。
同事務所は巡視結果に基づき、投棄場所を記した地図を昨年末に作成。名取川の名取川橋上流の右岸(仙台市太白区四郎丸周辺)や、東北新幹線の高架橋下の左岸(同区大野田)が目立つことが判明した。
同事務所は、ごみの多い場所に「不法投棄は犯罪」と警告する看板を設置している。今年度は地域住民に巡視への協力を求めたほか、監視カメラを設置して監視を強化する。
投棄されたごみの処分に年間400万円以上かかっている。同事務所河川管理課は「予算が厳しい中、治水対策に回せるお金がごみ処分に使われ、もったいない。ごみは捨てないように」と訴えている。
出典:読売新聞