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水と緑の地球環境:首都圏大学生有志、廃食油回収・リサイクルし燃料リレー

2011/01/24

環境省

 家庭や飲食店での使用済み天ぷら油などからつくるバイオディーゼル燃料(BDF)を活用する動きが活発化している。学生たちが、学園祭でのエコ活動の一つとして、廃油回収とBDF普及のネットワークづくりを推進中だ。BDFの精製時に副生する廃グリセリンを燃料にした暖房器具が開発されるなど新たな工夫も生まれている。【明珍美紀】

 ◇キャンパス油田始動へ
 ◇バイオディーゼル燃料普及を 学園祭でネットワーク

 首都圏の大学の学生有志でつくる「エコ学園祭ネットワーク」では、今年の秋の学園祭シーズンに向け、模擬店などから出た廃食油をBDFに再利用するキャンペーン「キャンパス油田2011」を展開する。

 具体的には、一つの大学で回収した廃食油を処理工場に回し、そこでつくられたBDFを他大学の学園祭のステージや屋台の発電機の燃料として利用する。そうやって廃食油のリサイクルとBDFの使用をリレー形式で進めていく計画だ。

 各学園祭実行委の環境対策部門の会合が昨年12月に東京であったとき、「廃食油をどうするかで悩んでいる」との声が上がったのがきっかけ。使用済みの油は古紙などに吸わせて捨てるが、可燃ごみとして焼却すれば二酸化炭素(CO2)が発生する。

 慶応大や青山学院大など一部の学園祭では廃食油の回収に取り組んでおり、「そうした経験をみんなで共有し、楽しみながらBDFという自然エネルギーの普及を広めていくことが目的」と中心メンバーの一人で、早稲田大政経学部5年の渡辺丈起さん(23)は言う。

 今回のキャンペーンは、廃食油回収・リサイクル会社「ユーズ」(東京都墨田区)の協賛企画だ。同社では、創業10年を迎えた07年に、「今後10年間で、東京のすべての廃食油を集める仕組みをつくろう」と「TOKYO油田2017」プロジェクトをスタート。毎年4月に東京の代々木公園で開かれる国内最大級の環境イベント「アースデイ東京」に参加するなど、市民や企業に協力を呼びかけている。

 現在、首都圏の約20校の学園祭実行委が参加の見込み。一橋大商学部2年の森岡将大さん(19)は「将来的には地域の人々とも連携し、キャンペーンを盛り上げていきたい」と話す。

 ◇グリセリン再利用、業務用ストーブ開発

 一方、東京都八王子市の運送会社「プロジェクト運送」では、BDFをつくるときの副産物で、従来は廃棄されることの多かったグリセリンを燃料とする「バイオストーブ」(改良型)を開発し、昨年12月から本格的に販売を始めた。

 同社では、自社の工場で製造したBDFをトラックの燃料に利用している。

 「廃食油からごみを取り除いた油脂にメタノールとアルカリ触媒を加えて加熱処理すると、BDFとグリセリンができる。再利用されるケースもあるが、廃グリセリンを燃料にしたストーブをつくろうと思い立った」と同社社長の小嶋敏幸さん(65)は説明する。

 「グリセリンは着火点が高く、全体的に温度が高くならないと安定して燃えない。そのため、つけた火が途中で消えないよう酸素を十分に送り込むなどの工夫をした」

 用途は、工場やビニールハウスなどの業務用。大型のビニールハウスで実験したところ、40リットルのグリセリンで8時間程度、暖房することができた。費用は本体が45万円。「燃料タンクと設置費を含めると計70万円程度」という。

 東京都町田市の社会福祉法人「共働学舎」では昨年末に同ストーブを導入し、野菜や植物を育てる温室に取り付けた。共働学舎でも、家庭や飲食店などから廃食油を回収してBDFの生産を手がけており、早速、廃グリセリンが活用されている。

 「グリセリンの再利用を進めることで、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に貢献したい」と小嶋さんは言葉に力を込めた。

出典:毎日新聞社

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