政府が報告義務化、10年度電子化率50%目標、透明性向上へ普及後押し。
2009/04/02
環境省
産業廃棄物処理の世界でも「見える化」の動きが広がってきた。二〇〇八年度から産廃を処理する場合、排出時にとどまらず、収集運搬、中間処理でも管理票(マニフェスト)の報告が義務化された。政府はさらにマニフェストの電子化を促しており、企業は産廃処理の流れの透明性向上を求められている。
政府の目標では、電子マニフェストの普及率は二〇一〇年度に五〇%(年間登録件数で約二千二百五十万件)が盛り込まれている。大規模排出事業者に限っては八〇%とハードルは高い。
ただ発行件数全体の電子化率は〇八年度で約一四%。今年三月単月では一七%に上昇しているが、本格的な普及はこれからという段階だ。
電子化の取り組みが進むのは建設業界。日本産業廃棄物処理振興センターによると、年間約四千五百万件発行されるマニフェストのうち、約二千八百万件は建設関連。スーパーゼネコンを筆頭に建設廃材処理の流れに敏感になっている。建設業界以外でも〇九年度中に一〇〇%をめざす富士フイルムのように大企業で独自対応の動きも出てきた。
今後の課題は「電子化は遅れがち」(振興センター)とされる中小企業などへの普及。電子化対応の初期投資などをためらう企業もあり、使いやすいシステムの開発は急務と言える。
出展:日経産業新聞