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投棄ゴミ撤去 警官奔走 栃木

2012/03/03

環境省

 ゴミがゴミを生んでいる――。真岡署駐在所の若手警察官の働きかけをきっかけに、真岡市三谷(みや)の山道沿いに長年にわたり不法投棄されていたゴミが、地域住民や警察官の手で撤去された。「不法投棄は許さない」という地域住民の意識が高まり、定期的にパトロールするなど監視態勢づくりも進んでいる。(丹下信之)

 働きかけたのは、真岡署物井駐在所の小口望巡査部長(27)。1月下旬、パトロール中に大政山の登山道付近で、700~800メートルにわたり家電製品やタイヤ、農業用資材などが大量に不法投棄されている現場を見つけた。

 ゴミの内容物から捨てた人を特定したところ、捨てた男性は「ゴミがいっぱい捨ててあったから捨てた」と供述。小口巡査部長はゴミの山が新たなゴミ捨てを誘発している「不法投棄の連鎖」に気づき、自治会に話を持ちかけた。

 現場の先に人里はなく、近くのため池ではブラックバス釣りを楽しむ人もいて、車が入りやすい環境にあった。萩原浩季(こうき)区長(73)によると、40年ほど前からゴミが捨てられるようになり、昨年暮れはさらに増えたという。軽自動車も捨てられていた。

 ため池は農業用で、地区の水源地となっている。住民たちは「何とかしたい」と思いつつも、自分たちだけでは実行に移せなかった。

 小口巡査部長は2月上旬、土地を所有する業者代表と1人で会い、「地域住民で撤去したい」と提案した。地元中学校同窓会やトレッキングクラブ、駐在所連絡協議会などの代表者宅にも通い、作業の手伝いをお願いした。当日の人繰りを巡り、萩原会長と毎日のように打ち合わせをした。

 こうした結果、2月26、27日の撤去には、住民や警察官ら60人以上がボランティアで参集し、天袋65個分のゴミを集めた。

 萩原区長は「小口巡査部長に助けられた」と感謝しきり。「4月のトレッキング大会までには完全に撤去し、車止めチェーンを設置して不法投棄させないようにしたい」と決意を新たにし、住民らで不法投棄パトロールを実施することを決めた。

 小口巡査部長は「住民と協力したからこそ撤去できた。今回は助走に過ぎない。今後は不法投棄されないよう地元と協力していきたい」と話している。

 県によると、2010年度末現在、産業廃棄物(10トン以上)だけで県内100か所に不法投棄されており、計約30万トンが撤去されずに残っている。県は今回の撤去例を「地域の実情に応じた方策」と話しており、「撤去義務はあくまでも捨てた人にある。捨て得は許さない」としている。

出典:読売新聞

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