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所沢市、プラごみ焼却検討  昨年に実証試験

2010/01/18

環境省

 ダイオキシン「基準以下」 埋め立て費、3億円削減

所沢市は、資源化できないプラスチックごみの処理方法について、現行の埋め立て処理を見直し、焼却処理の導入へ詰めの検討に入った。焼却が全国的な流れとなっていることを踏まえたもので、年間約3億円に上る市の埋め立て費用の削減などを図りたい考えだ。

 最新施設で処理することで、市の基準値を上回るダイオキシンを排出せず、焼却熱による発電も可能という。住民の間には「ダイオキシン騒動があった所沢だからこそ、焼却には十分な説明が必要だ」との声も根強いことから、市では慎重に検討作業を進める考えだ。

   ■市民に慎重論

 所沢市では、1990年代後半、排ガス処理設備が十分でない焼却炉で産業廃棄物を燃やしたことなどによるダイオキシン問題が表面化した。市は、ダイオキシン類の発生抑制を目的にした全国初の条例を制定し、発生源のプラスチックごみを燃やさず、埋め立て処理を行ってきた。

 現在は、ペットボトルや食品トレー、レジ袋などのプラスチックごみを資源として収集。ビデオテープや玩具など金属が交ざっている物は「燃やさないごみ」として集め、金属を取り除いた残りの廃プラスチック類を寄居町の県営処分場や山形県の民間最終処分場に埋め立てている。輸送費や処分場使用料として、年間計約3億円を費やしている。

 この間の2003年、所沢市日比田で、高度な排ガス処理ができ発電設備もある新型の焼却施設「東部クリーンセンター」が稼働。05年には、環境省が「廃プラスチック類は、発生を抑え、次に再生利用を促し、なお残る物は直接埋め立てずに熱回収を行うことが適当」との方針を打ち出したことを受け、同市でも焼却処理導入が検討課題として浮上した。

 県内では、さいたま市が、資源化できないプラスチック類を「燃えないごみ」としている岩槻区の収集方式を、10年度中にほかの区と同じ「燃えるごみ」に改める予定で、実際には、既に民間委託して焼却しているという。戸田市も「燃やさないごみ」として出されるプラスチック類のうち、資源化できない物はごみ処理場の職員が分別して焼却している。

 国の方針などを受け、所沢市は昨年6月、東部クリーンセンターで1か月間にわたり、廃プラスチック類666トンを可燃ごみに混ぜて焼却する実証試験を実施。結果をもとに11月、「排ガスから検出される物質に大きな変化は見られない」「約2億7000万円のコスト削減が見込める」とする報告書を発表した。

 環境問題の専門家ら4人から「環境への影響は少ない」との意見も得ており、市では、「報告書や意見に基づき、廃プラスチック類の処理方法について早急に検討する」(東部クリーンセンター施設課)としており、詰めの検討を急ぐ。

 こうした市の動きに対し、七つの市民団体が昨年、「廃プラ焼却より、ごみ減量・再資源化を最優先にした施策を」などとする要望書を2度にわたり提出した。

 「所沢 ごみ減量・市民の力」の品川昭事務局代表は「実証試験中のダイオキシン類の測定値が通常時より低いのはなぜか。分からない点が多く、説明が不十分だ」としている。

出典:読売新聞

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