廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の閣議決定とパブリックコメントの結果
2015/07/16
環境省
7月14日、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する法令が閣議決定された。
非常災害により生じた廃棄物を円滑かつ迅速に処理するため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)において定められている委託基準の一部を非常時に緩和し、法律において政令委任された非常災害に係る一般廃棄物処理施設の設置の特例に係る縦覧等に関して条例で定める事項を定めるもの。適用は法律施行日。
一般廃棄物では禁止されている、収集、運搬、処分などの再委託において、非常災害時の場合は、受託者が一般廃棄物の収集、運搬、処分等を環境省令で定める者に再委託することを可能とする。また、法律の施行に伴い、非常災害に係る一般廃棄物処理施設の設置の特例等が新設される。
当該特例等に係る縦覧等に関して条例で定める事項として、①生活環境影響調査の結果を記載した書類の縦覧の場所及び期間、②一般廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者による意見書の提出先、提出等を定めるもの。
パブリックコメント(意見募集)の結果
平成27年5月1日から平成27年6月1日まで、電子政府の総合窓口、環境省ホームページで意見を募集し、提出されたもの(本政令に係るもの)は2通。内容は以下の通り。
意見1
再委託「ありき」とならないよう、 相当の事由が無ければできないよう厳しい規制をかける必要がある のではないか。また、再委託された 業者が不適正処理を行った場合、再 委託した者は当然のこと、統括的処 理責任を負う当該市町村も、その処理責任が追及されることを明確にするべきではないか。
回答1
改正後においても、市町村は、原則として、 自ら又は委託により一般廃棄物を処理しなけ ればならないこと、また、市町村が処理責任を 負わなければならないことに変更はありませ ん。 今回の改正は、災害廃棄物の円滑かつ迅速な 処理に資するため再委託を可能とするものです。また、再委託が行われる場合においても、 適正な処理を確保するため、再委託基準の遵守を徹底するよう、地方自治体に呼びかけてまいります。
意見2
再委託を認めると、元受けの利益分などにより、処理のための直接の経費ではない部分が出るため、トータルで見ると税金の使われ方として効率が良くないので、認めるべきでない。災害時の規制緩和としては、市町村の契約事務の簡素化など 別の方法を考えるべきである。
回答2
今般の一般廃棄物の収集、運搬、処分等の委 託の基準の改正は、「巨大災害発生時の災害廃 棄物処理に係る対策スキームについて」(平成 27 年2月、巨大地震発生時における災害廃棄物 対策検討委員会取りまとめ)において、迅速な処理を確保するための契約事務手続の簡素化の一方策として再委託が有効である旨提言されたことを受けたものです。 再委託の活用により、非常災害時において、 廃棄物の適正な処理を確保しつつ、市町村の事務負担を低減することができるものと考えています。