廃棄小型家電 レアメタル回収効率化
2011/12/21
環境省
県、処理業者など検討会 年度内にも新産業モデル提言
携帯電話やゲーム機などの小型家電から、レアメタル(希少金属)を効率よく回収する仕組み作りに向け、県や市町、廃棄物処理業者などの検討会が作業を進めている。使用後は埋め立て処分されるか、家庭で放置されることが多い。
県は、これらを有効に活用できる仕組みを新産業モデルとしてまとめ、今年度中にも提言する予定だ。(矢沢寛茂)
小型家電にはデジタルカメラやDVDプレーヤーなどもあり、小売業者らに回収義務はなく、消費者に費用負担を課した家電リサイクル法の対象(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)にはなっていない。
環境省によると、国内では年間96品目、65・1万トンの小型家電が使用済みになり、それらにはタングステンやニッケル、コバルトなどのレアメタルが約28万トン、844億円相当含まれるという。県内でも年間約300トンが一般廃棄物として埋め立て処分されるが、多くは家庭で取り置かれたままだ。
そうした中で県は8月、大学や広島、福山、呉、東広島、三次の各市を含む検討会(19人)を設け、話し合いを開始。分解、分別の主力となる中間処理業者の層が薄いなど、県内の課題を踏まえたうえで、コストを抑えながらレアメタルを抽出するシステム作りを目指すことにした。
活動費には、最終処分場に埋められる産業廃棄物を抑制するために県が2003年度から課している「産廃埋立税」の積立金を充てる。
県内では埋立税導入を機に、分別を徹底してリサイクルに回す技術や、水の浄化といった環境関連のビジネスが発達。
これらの技術は、8月に経済交流協定を結んだ中国・四川省でも関心が高いという。検討会メンバーの川本義勝・県資源循環協会相談役は「組織や人材、技術などの基礎を作り、ビジネスとして確立したい。
県内だけでなく、海外にも売り込めるモデルを提言したい」と話している。
出典:読売新聞