廃ブラウン管から断熱材 パナソニックが草津にリサイクル工場
2011/10/13
環境省
パナソニックは13日、草津工場(滋賀県草津市)内に、ブラウン管テレビのガラス廃材を断熱材に再生するリサイクル工場を新設したと発表した。来年2月には量産を開始し、冷蔵庫の新製品に使う。
同時期には再生プラスチックの使用量を従来品より増やした洗濯機、炊飯器などの白物家電も発売し、省エネ性能に加えて“資源循環型”であることも消費者にアピールしていく考えだ。
リサイクル工場では、鉛が含まれないブラウン管前面のガラス部分だけを切り取って粉砕。これを溶かして遠心分離器のような装置に投入し、綿あめ状のガラス繊維「グラスウール」として再生する。このグラスウールが冷蔵庫や住宅建材などに使う真空断熱材の素材になる。操業開始時の生産能力は年間1600トンで、冷蔵庫30万台分にあたるという。
こうした廃ブラウン管のリサイクル工場は業界で初めてで、社会問題化するブラウン管テレビの不法投棄問題にも一役買いそうだ。
また、従来は品質の問題で製品の内部に使用が限られていた再生プラスチック材についても、品質や耐久性を向上させる新たなリサイクル技術を開発。製品の外装パネルなどにも使用できるようになり、使用量の増加を見込んでいる。
同社はこの日、こうした白物事業での環境保全への取り組みをまとめた「エコアイディア宣言」をとりまとめ、同工場で式典を行った。出席したCMキャラクターで女優の吉瀬美智子さんは「今後も自然や環境に優しい商品をたくさん作っていただきたい」とPRした。
出典:産経ニュース