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希少資源フッ酸 リサイクルに成功 加須のガラス製造メーカー

2011/05/10

環境省

 加須市の特殊ガラス製造の中堅メーカー「電硝(でんしょう)エンジニアリング」(従業員約200人)が希少資源の蛍石から生成され、薄型ガラスなどの生産に不可欠なフッ酸のリサイクル技術の開発に成功した。

 日本の蛍石の資源確保は、昨秋の政治問題で中国が輸出規制した希少金属「レアアース(希土類)」と同様に中国頼みとなっていた。同社は「中小企業の技術で、中国の輸出制限などの影響を受けない安定供給につなげたい」と話す。

 フッ酸は、蛍石を原料として生成され、携帯電話などの画面に使われる液晶表示装置(LCD)のガラスを磨く際に用いられるほか、リチウムイオン電池の製造工程でも必要となる。

 同社も携帯ゲーム機などのガラスを化学研磨する際、フッ酸の混ざった液体を利用。従来は、利用後はフッ酸が化学反応して別の物質になるため、廃液を薄めて産業廃棄物として処理してきた。

 だが、蛍石のほとんどを輸入に頼ってきた日本を取り巻く環境は近年、大きく変化。財務省の貿易統計によると、中国からの輸入量は二〇〇四年の約二十九万トンから〇九年には約四万トンに。全輸入量も約四十四万トンから約九万トンに激減し、一トン当たりの価格は、約一万四千円から約二万五千円と高騰した。

 急激な輸入量の減少の背景には、「採掘量の減少とともに、資源ナショナリズムによる輸出規制をしているとも考えられる」(同社)とする。価格高騰でフッ酸の安定確保やコストダウンを迫られた同社は〇七年ごろから、フッ酸のリサイクル技術開発に着手した。

 当初はこれまで処分してきた廃液からフッ酸だけを蒸留しようとすると、別の物質と沸点が同じで、同時に気化するため、うまくいかなかった。

 しかし〇九年、フッ酸と沸点が同じ物質に、塩(えん)を加えることで、沸点を変えられるようになり、フッ酸のみの蒸留に成功した。

 昨年三月に特許を申請し、同七月には独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)のイノベーション事業として助成金を受けて、同十一月に実用的な大型装置が完成した。

 現在は一日四トンの廃液を処理できるが、リサイクル率は約三割程度。今後は八割を目指す予定だ。住毋家(すもげ)岩夫社長は「日本の中小企業の技術力は非常に高い。さまざまな分野で中小企業発の技術革新が出てくることが、日本全体の希少資源問題への対応につながる」と語った。

出典:東京新聞

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