事業系ごみ大幅減 石巻市廃棄物対策審 5カ年計画、早々達成 /低迷する経済反映
2009/12/04
環境省
石巻広域クリーンセンターの処理能力を超えるごみに悩んでいた石巻市で、事業系ごみが大幅に減少したことが分かった。不況の影響と見られ、2008年度は広域のごみ量全体で6万1305トンになり、5カ年計画の目標を早々と達成。
2日、同センターで開かれた石巻市廃棄物対策審議会(会長・鳴海史高石巻専修大理工学部講師、委員20人)で、ごみ減量が予想を上回るペースで進んだことが報告された。石巻地方の2市1町は、07年度からごみ焼却量をクリーンセンターの処理能力(年6万3000トン)の範囲内に削減する計画だった。
/半面、リサイクル率も低下/
2市1町のごみを処理するクリーンセンターには、07年度まで7万トン近いごみが殺到。年間280日の稼働能力をペースオーバーして、300日以上、焼却処理を続けてきた。
限界を超える稼働は施設に負担を掛けることから、同センターはごみ削減5カ年計画を策定。07年度は雑紙分別などの効果で前年比1700トンほど減少し、6万6385トンになった。さらに08年度は前年比で5000トン以上も急減。センターの処理能力を下回る水準に落ち着いた。
特に石巻市で減量効果が大きく、08年度は約4000トン減り、年間6万トンを大幅に超えていたごみ量が5万9388トンに。事業系ごみは2236トン減の約1万4000トン、生活系ごみも1738トン減の約4万5000トンとなった。
一人一日当たりごみ量は、生活系が750グラム、事業系が230グラムの計980グラム。市の一般廃棄物処理基本計画では、08~17年度の達成目標を10%削減の970グラム(生活系700グラム、事業系270グラム)と設定していた。事業系ごみは10年後の目標をクリアしたことになる。
半面、資源ごみの回収量は紙類、金属類とも減少し、前年比1275トン減の8868トン。リサイクル率も14.5%と、前年より1ポイント低下した。リサイクル率の目標は30%と高く、目標到達が遠のいた。
市廃棄物対策課は「事業系ごみと資源ごみの減少は、低迷する経済情勢の影響が要因とみられ、今後の動向を注視する。家庭系ごみの減量化が最も大切であり、特に生ごみの水切り徹底を呼び掛けたい」と委員に説明した。
石巻市は一般廃棄物処理基本計画に掲げた資源化・減量化目標値の達成状況などを検証するため、審議会を設置している。
出典:三陸河北新報社