丸イモ焼酎廃液を液肥に 能美の農場でリサイクル
2010/04/09
環境省
アミノ酸の吸収促進 水田でも試験利用へ
能美市で水稲、丸イモ栽培を手掛ける岡元農場の農地の一部で、丸イモ焼酎の廃液を加工した液肥を使う取り組みが始まった。市特産品の製造過程で生まれたものを、地元の土に返す取り組みは、資源循環の構築にもつながり、その成果が期待される。(田嶋豊)
液肥は、宮本酒造店(同市宮竹町)が丸イモ焼酎「のみよし」を醸造する際に出る産業廃棄物の蒸留廃液を活用し、産業廃棄物収集・運搬の「金剛」(金沢市)が製造。土に優しく、植物の生育の“活力”をもたらすアミノ酸を吸収しやすいメリットがあるという。
岡元農場では昨夏、丸イモの葉面散布に液肥を活用。今回は種芋の植え付け段階から十アールの畑で利用し、発芽の具合など生育状況を検証し、有効性を探る。水稲の六十アールでも試験的に利用する。
焼酎の廃液は酸性が強く、これまで産業廃棄物として処理されていた。宮本酒造店では年間約二十トンの廃液があり、処理コストや環境保全で難しい面があった。
廃液肥料化への取り組みは、県の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」にも採択され、金剛をはじめ、地元の環境関連企業「カナン」の協力で昨年、液肥化に成功した。
農場の代表・岡元豊さんは「コストや労力のほか、省力化や簡略化に向けた検討も必要。生産農家として、町おこしや資源循環の取り組みを応援したい」と話している。
出典:中日新聞