中屋敷にソーラー式監視カメラ
2010/06/03
環境省
不法投棄の抑止を目的として3月、横浜市が新たに瀬谷区中屋敷1丁目に「不法投棄ソーラー監視警報装置」を設置した。5月には同所の装置は区に移管され、区による運用が始まった。
同様の警報装置の設置は区内5カ所目。ソーラー式のものは初。
同警報装置には監視カメラのほかにセンサーが付いており、人が近付くと不法投棄禁止のアナウンスが流れ、夜間にはライトが点灯する仕組みになっている。不法投棄は人目がないうちに一瞬で行われるケースが多く、音声や光で威嚇することが狙いだ。
従来の警報装置は電気式だったため、付近に電柱がある場所にしか設置できなかったが、ソーラー発電の電気を活用することで、電柱がない雑木林や畑付近にも設置が可能となった。
市では今年度、市内9カ所に警報装置を設置する予定で、区内では上瀬谷地区への設置が検討されている。
■対策は長期に
雑木林や人目に付かない農地などがある瀬谷区内。区や地域住民が長年、看板や監視カメラを設置したり、丈が伸びた雑草を刈り取るなどし、不法投棄対策をしてきた。対策によって一時減少は見られるものの、撲滅できていないのが現状だ。
ごみの種類は、産業廃棄物や家庭ごみなど様々。空き缶や弁当の容器などの投げ捨ても多い。また、最近では町のごみ集積所に産業廃棄物が置かれるケースも発生している。
抑止対策のほか、瀬谷警察署と瀬谷土木事務所、資源循環局が連携し、取り締まりにも動いている。各所や地域住民らの通報などにより、瀬谷署管内では今年、5月末までに10件の送致があった。
瀬谷署は「不法投棄のごみの中には手がかりになりそうなものが含まれていることも。付近の清掃などで何か手がかりを見つけた場合には、警察に一報を」と話している。
大型の不法投棄も発生している中屋敷地区。瀬谷北部地域G30活動委員長の広瀬五郎さんと小林暢彦さんは、10年以上前から同地域で不法投棄のごみの清掃などをし、対策してきた。
「一時不法投棄が減ったからといって油断すると、また以前のようにごみの山になってしまう」と、今でも週に一度の地域パトロールなどでごみを見つける度に、片付けをしている。大量のごみが見つかった時には、半日がかりで清掃したことも。
広瀬さんは「雑木林の近くをいつも通る人たちが、ごみを見つけると片付けてくれることもある。ごみを捨てる人がいる一方でありがたいこと。多くの人に、地域も自分の家だと思って、きれいにする気持ちを持ってほしい」と呼びかけた。
出典:タウンニュース