不況が背景か 不法投棄が大幅減/苫小牧
2009/04/24
環境省
苫小牧市が確認した2008年度の廃棄物不法投棄は175件だった。07年度比約4割減という。廃家電処分の有料化を契機に01年度以降、生活用品の不法投棄は右肩上がりで増えたものの、2年前から減少傾向を示すようになった。景気の悪化で物を捨てず、長く使う意識の高まりが背景にあるのでは―と市の見方だ。
市清掃事業課の担当職員の巡視活動や市民の通報で確認した。07年度より108件も減った。前年割れは2年連続という。最悪の06年度は、389件を数えた。
不法投棄が減った背景について市は「不況が影響しているのでは」とみる。景気悪化が家電や家具などの消費を落ち込ませ、「買い替える人が少なくなったことや、物を長く使おうとする意識の広がりが要因ではないか」と推察する。
また、ごみが捨てられやすい森や河川を管理する行政機関が近年、不法投棄防止の啓発活動に力を入れ始めたことも、一定の効果をもたらしたとみられる。
それでも175件。使い古しの家具などの大型ごみ150点、テレビや冷蔵庫など家電が90点、廃タイヤが480点。減少したといえど、人目の付かない場所にこっそりと投げ捨てる行為が後を絶たない。
出典:苫小牧民報社