レアメタル回収のモデル事業、福岡市も参加
2010/05/26
環境省
福岡市は25日、北九州市とソニー(東京)が行っているレアメタルや貴金属のリサイクルモデル事業に参加すると発表した。
6月1日に福岡市内のスーパーとホームセンターの計23店舗に回収箱を設置。市民に使用済みのデジタルカメラや携帯電話など小型電子機器を入れてもらい、レアメタルなどを再利用する。
同市ではこれまで、小型電子機器は不燃ゴミとして回収し、鉄とアルミを抽出した後、他の金属とプラスチック部分は廃棄していた。昨年8月、環境省や経済産業省でつくるレアメタルのリサイクル連絡会から打診され、参加を決めた。
北九州市とソニーの実験は2008年9月に開始。回収機器のレアメタルなどを同市若松区のリサイクル会社で抽出し、ソニーが製品の配線などに使う。
09年度は約3万2000点を回収し、金を219グラム、銅を280キロ・グラム、電子基板のメッキに使うパラジウムを30グラム抽出。しかし、回収量が足りず、採算割れの状態という。
約146万人の人口を抱える福岡市が加わることで、回収量の大幅な増加が期待されている。
福岡市環境局によると、小型電子機器に使われているレアメタルなどのリサイクルは大牟田市、熊本県水俣市など全国8か所で行われている。
25日はモデル事業の実施協定を締結。記者会見で吉田宏市長は「どんどん捨てるのではなく、コストが合えば回収するという考え方が大事。効率の良い回収方法を探りたい」と話した。
出典:読売新聞