レアメタル回収で障害者作業所がネットワーク 規模拡大し安定目指す
2012/09/05
環境省
千葉県内の15の障害者作業所が、廃家電などからの希少金属(レアメタル)回収事業を行う「ちばリサイクルネット」を立ち上げた。グループを形成することで事業規模を拡大し、安定的に仕事を確保するのが狙い。極端に低い障害者の賃金を上げるために同ネットは、協力先を求めている。
廃棄されたデジカメや携帯電話端末、パソコンなどは高価なレアメタルを含んでおり「都市鉱山」ともいわれる。同ネットの中心で、同県木更津市で作業所を運営するNPO法人あゆみ会は、4年前からその“発掘”に取り組んできた。
作業所にとってのレアメタル回収事業のメリットは、ドライバーやペンチなど簡単な工具と机があればできるため設備投資はほとんど必要ないことと、製品を壊す作業なので「不良品」が発生しないことだ。
その上、回収したレアメタルは需要が多く、すぐに売れるとあって「従来の内職のような仕事よりも賃金は高くできる」(あゆみ会の友田久子理事長)。賃金が月数千円以下の作業所もある中、あゆみ会は3万円程度という。
悩みは、作業所の規模が小さいため廃家電の仕入れが思うように進まないことだ。このため、同様の作業に取り組むほかの作業所と、今年6月に同ネットを発足させた。参加した作業所の中には、携帯電話などに入っている個人情報を消去する技術を持っているところもあり、事業拡大の準備は整いつつある。
多くの廃家電は回収ルートが決まっているなど参入は難しいが、友田さんは「既存の業者より低コストにしても、障害者は今よりも高い賃金が得られる。環境のためにも役立つ」と、話している。
出典:産経ニュース