リサイクル木炭で鶴舞川浄化へ 埼玉
2009/03/03
環境省
坂戸市や地元の自治会などは、坂戸市を流れる鶴舞川の水質改善に木炭を使用する試みを始めた。木炭は秩父市のダムに流れ着いた流木をNPO団体が回収して再利用したもの。低コストでエコな事業として注目を集めている。
鶴舞川は、坂戸市鶴舞などを流れる荒川水系高麗川の支流河川。主に、農業用排水路として使用されてきた。だが、下水道が上流部周辺で完備されていないため、ここ数年、流れ込む生活雑排水によって水質が悪化。水量が低下する夏場などには周辺住民から「悪臭がする」などとの苦情が寄せられていた。
このため、市や地元自治会が中心となって、消臭や有害物質吸着などの効果があるとされる木炭を使った水質浄化を計画。市職員や地元自治会など計4団体が参加し、鶴舞川に生活雑排水などが流れ込む4地点に、木炭約7キロ入りの袋を4、5個ずつ設置した=写真。
木炭は、秩父市の森や河川の保全活動などを行っているNPO法人「森」が、同市の二瀬ダムに流れ着いた流木を回収してつくったもの。家屋の調湿材や土壌改良材として用いてきたが、市が無償で約400キロを譲り受けた。
市の環境政策課は「本来はゴミになる流木をリサイクルして使っているのでエコ。お金もかからない」と自画自賛している。
地元の農家で組織する「大家五号堰水利組合」の鹿山登一郎組合長も「画期的な事業。きれいな水が蘇ってほしい」と期待を寄せている。
しかし、木炭設置はあくまで当面の措置。市は、屎尿(しにょう)と生活排水を同時に処理する合併処理浄化槽の設置を各家庭に呼びかけるとともに、「鶴舞川の浄化について地域の人に関心を持ってほしい」としている。
出典:産経新聞