トヨタが10年度の車両再資源化等の実績を公表 リサイクル実効率は97%
2011/05/18
環境省
トヨタ自動車は17日、自動車リサイクル法に基づく、ASR(自動車シュレッダーダスト)・エアバッグ類・フロン類の特定3物品の2010年度(2010年4月~2011年3月)再資源化等の実績を公表した。
同社によると、ASRについては、97万台(重量21万トン)を引取り、そのうち18万トンを再資源化。再資源化率は通年で約85%となり、07年度から継続して、2015年度法定基準の70%を大幅に上回る結果となった。
車両のリサイクル実効率に換算すると約97%の結果となり、解体された使用済み自動車の再資源化が、ほぼ100%実現されていることがわかった。
一方、エアバッグ類の引取りは56万台分(180万個)で、回収での再資源化率は94%。こちらも法定基準85%を上回る水準を確保した。また、フロン類についても「適正に破壊処理を行った」と報告している。
再資源化等に要した費用総額は、社内のシステム関連費、専任人件費を含めて94.3億円。資金管理法人から払渡しを受けた、顧客からの預託金総額99.6億円を5.3億円下回った。
これにより、自動車リサイクル法施行後の2004年度からの累計収支は、16.1億円の赤字から10.8億円の赤字に減少した。今後も中長期で収支のバランスが取れるよう取組んでいく方針。
トヨタは、自動車リサイクル法に基づき、ASRについては「豊通リサイクル」に、エアバッグ類およびフロン類については、業界共同で設立した一般社団法人「自動車再資源化協力機構」に業務委託し、全国における特定3物品の引取り・リサイクル・処理を適正かつ効率的に実施している。
具体的な事業としては、1998年に豊田メタルに世界初となるASRのリサイクルプラントを設置し、ASRから新車の防音材(RSPP)等へのリサイクルを長年にわたり推進してきた実績がある。RSPP搭載車両の累計台数は2010年度に2,000万台に達した。
東日本大震災により、海外に輸出される予定だった多くの完成車両が津波に流され、「廃車」となったが、リサイクルにより効率的に再資源化され、再加工されることが期待される。
出典:財形新聞