日本最大級の産業廃棄物処理業者・リサイクル業者検索サイトです。

0120-33-8508

受付時間:10:00~18:00 (土日祝日除く)

エコノハサーチ

スマホ版メニュー

【よく分かる!!廃棄物問題】#104 マニフェスト交付実績報告義務化の背景

2008/05/27

環境省

□ マニフェスト交付実績報告義務化の背景

前回のメルマガでは、マニフェストの交付実績報告が義務化されたことを
ご説明しました。

今回は、「なぜ急に義務化されたか」を考察したいと思います。

義務化の背景には、少なくとも4つの理由があると思います。

理由1 「電子マニフェストの推進」

前回のメルマガでご説明したとおり、実績報告の義務があるのは、紙マニ
フェストだけで、電子マニフェストはデータを管理している財団法人日本産業
廃棄物処理振興センターが、勝手に報告してくれます。

紙マニフェストって報告の作業が面倒くさいでしょう・・・
でも、電子マニフェストを導入すれば、いちいち報告しなくても済みますよ

 
という、インセンティブを働かせるため、あえて義務化に動いたのが、もっとも大きな理由です。

環境省も、各都道府県への通知文書において、明確にそう書いています。

理由2 「排出事業者の意識変革」

いまだに、「マニフェストの発行と記入は処理業者任せ」の排出事業者が多数存在します。

これでは、マニフェストのそもそもの目的である、「産業廃棄物の処理フローの把握」を適切に行うことは不可能となります。

排出事業者に、当事者意識が欠落してしまっていますので。

そのため、排出事業者自身に、自社の委託状況を強制的に把握させるため
にも、1年の交付実績を報告させようということにシフトしてきました。

理由3 「産業廃棄物の処理フローの把握」

紙マニフェストのすべてが電子マニフェストに変わると、国は産業廃棄物の処理フローをリアルタイムで把握することが可能となります。

紙の場合、返送や集計の時間が必要となりますので、どうしてもリアルタイムで流れを把握することはできません。

また、行政が各種の施策を進める際、処理フローに関する正確なデータの把握が大前提となります。

電子マニフェストの推進以外にも、正確なデータ把握を目的としてマニフェストの交付実績が義務化された面があると考えられます。

理由4 「処理業者の処理実績の把握」

それぞれの処理業者には、許可された処理能力というものがあります。

そのため、売上をすぐに増やしたい場合、許可された能力以上の廃棄物を受け入れ、目先の売り上げを増やそうと画策されることが多々あります。

たとえば、許可証の能力が1日あたり5トンの会社が
1日あたり20トンもの産業廃棄物を受け入れると、身の丈以上の売り上げ
を計上することが可能となります。

引き受けた産業廃棄物もいずれ処理しなくてはなりませんが、目先の売り上げを増やすことに味を占めた会社は、受け入れを元の水準に落とそうとしなくなります。

こうなると、処理しきれない産業廃棄物は、「不法投棄」か「再委託」に行き着くしかありません。

 

このような不適正処理を撲滅するためには、正確な処理実績をデータとして把握することが不可欠です。

排出事業者からのデータの場合、処理業者が記録を改ざんすることはできませんので、マニフェストの交付実績報告にも、一定の意義があるわけです。

制度が変わるのはあっという間です。

肝心なことは、制度が変わった後で慌てるのではなく、制度が急に変わっても落ち着いて対応できるよう、平常時から準備を整えておくことです。

そのためには、今から委託契約やマニフェストの基本をしっかりと身につけておくことが重要です。

もし、それが満足にできていないという会社の場合

『図解入門ビジネス 最新 産廃処理の基本と仕組みがよ~くわかる本』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798018481/sangyohaikibu-22/ref=nosim

一覧へ戻る