東京への災害廃棄物搬出終了 「経験を大島に生かす」
2013/12/01
ニュース
陸前高田市の沼田地区二次仮置場で29日、東京都に向けた災害廃棄物の最終搬出が行われた。4月から約9カ月間にわたり3万1000㌧の処理が行われ、市内の災害廃棄物のうち可燃物については本年度内の処理にめどがついた。
同日は市や県、都の関係者ら約20人が見守った。作業に先立ち、県沿岸広域振興局大船渡保健福祉環境センターの五日市治所長は、都民や都、輸送を担ってきたJR貨物などに感謝。市民生部の菅野直人部長は「169万㌧の災害廃棄物対応は、復興へ最大の課題となっていた。積極的に受け入れていただいた」とあいさつした。
これに対し、都環境局廃棄物対策部の池田裕治埋立調整担当課長は「経験させていただいたことは(土石流災害に見舞われた)大島での処理に生かしていきたい」と述べた。
この日は廃棄物約38㌧をコンテナ9基に積み込んだ。これまでと同様、放射能測定を実施し、安全性を確認。宮城県の石巻港駅に向け、コンテナを載せたトラックが出発した。東京貨物ターミナル駅までは、鉄道輸送する。
都と公益財団法人東京都環境公社、県は災害廃棄物の協定を結び、これに基づき都内事業者などの協力を受けながら都が処理。被災家屋の建材など可燃物を中心とした都への搬送は4月12日から始まり、都内の処理施設が受け入れた。当初、搬出は12月いっぱいを見込んでいたが、約1カ月早い終了を迎えた。
出典:東海新報社