豊島の産廃:想定外区域から廃棄物 住民指摘で試掘、数千トンか 香川
2013/10/21
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香川県土庄町の豊島(てしま)に不法投棄された産業廃棄物について、これまで想定されていなかった処分地北側区域で廃棄物が確認されたことが19日、県への取材で分かった。県は91万1000トンとされる廃棄物量について、少なくとも数千トンは増えると試算しており、20日に高松市内で開かれる「豊島廃棄物等管理委員会」で報告する。
県などによると、「不法投棄されたのを目撃した」とする住民の指摘を受け、9月中旬以降、処分地北端の土中に設置している遮水壁内側付近の4地点を20〜30メートル間隔で数メートル試掘したところ、全地点で海抜約4メートル付近から廃棄物層が確認されたという。層がどれくらいの厚さかや、どれくらいの広がりを持つかは不明という。
県はこれまで、1994、95年に実施された国による処分地の実態調査を根拠に、北端区域については「廃棄物は存在しない」としてきたが、国が実施したのは50メートル間隔のボーリング調査で、廃棄物の全体量を正確に把握していたわけではなかった。
廃棄物対策豊島住民会議のメンバーは「こちらからの指摘がなければ調査していなかった可能性もある。曖昧なデータだけを基にしても分からないことは多くある。県としてしっかりと調査すべきだ」と主張している。
県廃棄物対策課の担当者は「これまでも想定外の区域で廃棄物が確認されたことはあった。想定外という理由だけでその区域を掘らないと決めているわけでもない」と説明し、公害調停で定められた16年度末までの処分計画には影響しないとしている。
出典:毎日新聞