淡路瓦不用品、魚の増殖礁に 南あわじで実用化
2013/09/23
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いぶし銀が美しい淡路島特産の瓦の規格外品などを利用した魚の増殖礁を、建設資材メーカー「岡部」(東京都墨田区)が実用化した。今月、県の増殖場整備事業で採用され、32基が南あわじ市福良丙沖の水深約15メートルに沈められた。同社は「割れた瓦と瓦の間にできる多くの隙間が、魚の餌となるエビやカニ、ゴカイのすみかになり、海藻も生えて、魚が増える効果がある。不用瓦の有効活用になり、他県にも売り込みたい」としている。
増殖礁は、鋼材を八角柱の形に組んで、上部の約30センチの空間に10センチ角以上の大きさの割り瓦を敷き、下部には石を詰め、コンクリートの重しをつけた。直径約3メートル、高さ約2メートル、重さ約17トン。
瓦は、製造過程で変形したり、保管中に汚れたりした不用品で、廃棄物の中間処理会社から岡部が購入。「土を原料にした瓦は環境にも優しい。地域産業の副産品を安価に有効活用できる」とする。
約5年前から同社が研究し、2009年には南あわじ市阿那賀の丸山海釣り公園に試験的に沈めた。海藻が生え、イサキの幼魚やスズメダイなどが多く確認されたという。
淡路県民局洲本農林水産振興事務所によると、福良沖の増殖場整備事業では岡部のほか、南あわじ市に本社がある「日本リーフ」の素焼き瓦を重ね合わせた増殖礁135基を沈設。同事務所は「増殖礁を設置することで稚魚の段階での生存率を伸ばせる。マダイやカサゴ、カレイの数が増えれば」と期待している。
出典:読売新聞