仙台市の家庭ごみ 再び増加
2013/09/13
ニュース
2008年に家庭ごみを有料化してから減少傾向にあった仙台市内の家庭ごみ量が昨年度、08年度の水準に逆戻りしていたことがわかった。震災後に増えたごみ回収は一段落しており、市民の分別意識低下などが背景にあるらしい。市はごみ減量に向け、啓発を強化する方針だ。
市では08年10月、家庭ごみを有料化し、市民が専用のごみ袋を購入する仕組みにした。市ごみ減量推進課によると、08年度は24万7069トンだった家庭ごみ排出量が、09年度と10年度はいずれも23万トン台と減量化を達成。しかし、12年度は、震災発生後のごみ増が落ち着いたにもかかわらず、24万6831トンと震災前を上回り、08年度の水準に逆戻りした。
同課は「有料化の直後と比べ、市民のごみ分別意識が下がった」とみる。1人1日あたりの家庭ごみ排出量は昨年度637グラムで、09年度(614グラム)から23グラム増えた。この間、紙類や古着などの資源が家庭ごみに混ざっている割合が、38%から44%に増えた。
震災の影響もある。被害の大きかった沿岸部から転入するなどして、12年10月1日時点の市の人口は106万人と、11年に比べて約1万人増えた。転入者がごみの分別方法を十分に理解していない可能性はある。
また、被害の大きかった宮城野区と若林区で、資源回収をしていた町内会や子供会などの団体が活動を停止。二つの区を合わせた団体数は10年度の393から11年度は378に減り、回収量は7095トンから6499トンに急減した。
市は今後、転入者に対して、ごみの出し方を改めて丁寧に説明する。また、紙類と布類は集積所での回収に加え、一部の市の施設での拠点回収、団体による集団回収といった制度があることの周知を強化する。
出典:読売新聞