バイオマス発電:廃材を燃料に 地元企業、県内初の設備認定 6270世帯分、15年本格稼働目指す /滋賀
2013/09/02
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建築廃材を燃料に活用した県内最大級となる売電向け木質バイオマス発電事業に、米原市の企業が参入する。再生可能エネルギー普及と木材資源リサイクルを両立させる試みで、経済産業省の同エネルギー固定価格買い取り制度に基づく設備認定を県内で初めて受けた。発電所を年内に着工し、2015年1月の本格稼働を目指す。
取り組むのは、木材加工・リサイクルを手がけるヤマムログループの発電会社「いぶきグリーンエナジー」。県内のほか、東海や北陸地方の事業所などから1日約140トンの廃材を集めて燃料用にチップ化し、蒸気タービンを回して発電する。
計画では、最大発電出力は3550キロワット時。最大電力供給量は月188万キロワットで、一般家庭の6270世帯分に相当する。発電所内での使用分を差し引いた2850キロワット時を電力会社に売電し、年間売上高は約3億円を見込む。総事業費は18億円。
昨年開始の固定価格買い取り制度は、再生可能エネルギーで発電された電気を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務化した。リサイクル木材を使ったバイオマス発電事業の調達価格は1キロワット時あたり13・65円。同社は今年6月、同制度に基づく設備認定を受けた。
「地産地消型」の再生可能エネルギーとして期待されるバイオマス発電だが、木材など燃料の安定確保が課題となっている。同社の清水国行社長(40)は「発電用に建築解体材を新規に集めるのは難しいが、ルートを確保しているのが私たちの強み」と指摘。「将来は間伐材も活用し、地域のバイオマス資源をエネルギーに転換させ、地域社会に貢献したい」と話した。
出典:毎日新聞