不法投棄撤去費用求め業者提訴 福井地裁、市が損害賠償請求
2013/08/01
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福井市下市町にある市所有のため池に土砂などが不法投棄された問題で福井市は31日、市の許可なく、建設廃棄物などでため池の一部を埋めたとして、地元建設業者と元代表者、建設業者に廃棄を委託した元請け業者に、撤去などに掛かる費用約2億7800万円の損害賠償を求める訴えを福井地裁に起こした。
弁護士によると、内訳は埋め立て物の掘削や運搬、処分の撤去費用約2億3300万円と、市が支出した調査費用約2千万円など。
市は、6月補正予算に撤去費用2億7千万円を盛り、損害賠償請求額は約3億1千万円を見込んでいると説明していたが、作業内容を精査し請求額を引き下げた。
地元住民が撤去を求めた調停の中で、建設業者は埋め立て物の約3分の1(1020立方メートル)は元請け業者の工事現場から出た残土で、それをため池に持ち込んだことを認めている。建設業者の元代表者の家族は「何も分からない」としている。
一方、元請け業者は「埋め立てをした建設業者とは元請け下請けの関係になく、不法埋め立てなどの行為には全く関与していない」とするコメントを出した。
市の調査によると、池の約4割を覆う埋め立て物は約3600立方メートル(約6400トン)。コンクリート片などの廃棄物が1~2割で残りは土砂。2005~08年にかけて埋め立てられた。市は9月ごろから撤去工事に本格的に取り掛かり、年度内に終える考え。
出典:福井新聞