飯塚の産廃処分場:廃棄物撤去問題 調査委報告書「生活環境上に支障」 県、来月にも除去命令 /福岡
2013/04/30
ニュース
飯塚市の産廃処分場問題で、県の調査専門委員会(委員長=花嶋正孝福岡大名誉教授、5人)は24日、水質や土壌を調査した報告書を県に提出した。県側としては初めて「将来の恐れを含め、生活環境保全上の支障がある」と確認された。県は報告内容を踏まえ、5月にも支障除去を求める措置命令を業者側に出す方針。
報告書によると、処分場埋め立て区域内や周辺でボーリングや水質調査を実施した結果、延べ12カ所で基準を超す高濃度の鉛が検出された。濃度は最大で土壌汚染対策法上の基準の64倍に上った。周辺のため池からは基準の2倍超のヒ素も検出された。処分場から約50~300メートルの範囲にある周辺住宅約10戸の井戸などからは基準を超す有害物質は検出されなかった。
ただ、実際にどのような生活環境上の支障があるのかや除去方法は非公開とされた。理由について、県監視指導課は「業者への通知以前に公表すれば、業者に手続き上不備があると主張される恐れがある」としている。
県は今後、報告結果を廃棄物処理法に照らして措置内容をまとめる。それを業者側に示し、弁明の機会を与えた上で5月中にも措置命令を出す。
出典:毎日新聞