浜松市の粗大ごみ回収 駆け込み急増
2013/03/24
ニュース
◆来月から有料
浜松市で粗大ごみが「大量発生」している。四月からの回収有料化を前に、駆け込みで処分する市民が続出しているためだ。年度替わりで新生活が始まる時期にも重なり、市の受け付け電話は「鳴りっぱなし」(担当課)のてんてこ舞いだ。
浜松市の粗大ごみ回収は、回収日を決めず、市民から電話連絡を受け、市民が集積所などに置いた粗大ごみを市が無料で回収する方式。有料となる四月からは、自宅前まで回収に出向く。料金は重さや大きさによって三百円から千二百円までの四段階。二〇〇九年度の処理単価から換算したという。
駆け込み処分を想定し、市は昨年七月から説明会などで「ゆとりを持って出してほしい」と繰り返し訴えてきた。ところが受付件数は増え続け、今年に入ると激増。二月は二万四千九百六十五件と前年同期に比べて二・六倍に達した。三月からは、例年だと一日平均七百~八百件だった問い合わせが二千五百件を超える事態に。
市は受付センターの電話を十二回線から二十四回線に増やし、センターの担当員も八人から二十四人に増員して対応を始めた。「まさかここまで多いとは…。一気に出さなくてもいいのに」と資源廃棄物政策課の担当者は驚く。
平和最終処分場(同市西区)には市民が自分で持ち込むこともでき、連日長蛇の列ができている。二十日、古タンスや子どもの自転車などを軽トラックに積んできた同市中区の主婦(35)は三十分以上並んだという。「この際だから大掃除して、倉庫にあったものも一気に出してしまおうと思って」と話した。
市によると、全国二十の政令指定都市で、無料で粗大ごみを回収しているのは浜松、静岡両市のみ。同課担当者は「駆け込みは一過性のもの」と渋い表情だが、「原点はごみの減量化。未来を見据え、市民と行政が協働してごみを少なくする社会を目指す」と話している。
出典:中日新聞