豊田市が「ごみ屋敷」で行政代執行
2013/03/06
ニュース
豊田市は五日、ごみがあふれた同市保見ケ丘の「ごみ屋敷」と呼ばれる民家で、敷地内だけでなく市道にまで広がったごみについて、行政代執行などによる撤去を始めた。一月末にこの民家でぼやも起きており、周辺住民への安全も重視した。この民家への代執行は二〇一〇年に続いて二回目で、二日間かけて三十トンほどを取り除く。
市によると、代執行の対象は、あくまで市道上のごみ。文書や口頭で撤去を求めている最中にぼやが起きたため、踏み切った。一方で個人の敷地内の一般廃棄物を規制する法律はないため、今回も住人の男性(74)に撤去の申し入れ書を事前に提出してもらい、進めることになった。
撤去は午前九時から始まり、市の委託業者が屋内外にあった自転車、洋服や生ごみなどを次々と運び出した。男性は取材に「年金暮らしで生活が苦しい。十六匹のネコの餌代も払えないから、ごみを拾ってくるしかない。また集めればいいか」と話した。
男性は一人暮らしで、〇三年ごろから近くの「分別ごみステーション」の燃やすごみを中心に集めるようになった。〇八年度までに計三回、市側が費用負担し、近隣住民と協力して撤去。再びごみが増え、男性に改善を求めたがやまず、市は一〇年八月、代執行などで二六・五トンを取り除いた。八十六万円の撤去費用は男性が分割で支払っている。
今回は百七十五万円の撤去費を見積もり、男性に請求する。市土木管理課の担当者は「繰り返した場合は刑事告発も検討したい」と話した。
出典:中日新聞