彦根城で自転車の不法投棄多発
2013/02/14
ニュース
国宝・彦根城(彦根市)の堀に自転車の不法投棄が相次ぎ、市は廃棄物処理法違反の疑いで彦根署に告発した。特別史跡の指定を受けている城一帯は、防犯カメラやフェンスなどの設置が難しい。城の世界遺産登録を目指している市だが、不法投棄はイメージダウンにつながりかねず、対策に頭を悩ませている。
昨年十二月に告発を受理した署はパトロールを強化したり、ミニ検問したりと警戒体制を敷いている。関係者によると、不法投棄は二〇一一年秋ごろから目立ち始め、これまで回収した自転車は百十台以上という。堀は二重になっているが、投げ込まれているのは市道や県道に面した外側の「中堀」。特に夜間は交通量が減り、街路灯も少ない二カ所に集中している。城管理事務所では毎日二回、堀を見回り、自転車を発見すると引き上げて署に届ける。持ち主が判明することもあるが、署によると「盗難被害に遭った自転車」。持ち主不明の中には、不要となって捨てたとみられる自転車もあるという。
市や城管理事務所の関係者は「きれいな彦根城の景観を守りたい。不法投棄は本当に迷惑だ」と心ない行為に憤る。
彦根城は江戸時代初期に築かれた平山城で、天守は一六〇七(慶長十二)年ごろの完成といわれる。
出典:中日新聞