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ごみ屋敷禁止条例…日光市制定へ

2012/10/29

ニュース

◇私有地でも強制撤去、罰則も

 日光市の斎藤文夫市長は25日の記者会見で“ごみ屋敷解消”に向け、私有地でも強制的にごみを撤去でき、罰則も科せる条例制定を目指す考えを示した。鬼怒川温泉の廃業旅館に大量のごみが投棄されるなどしているためで、来年度の早い時期に制定し、下半期からの施行を目指す。私有地のごみ問題については、東京都足立区が24日、一定の条件付きで強制撤去と自治体が税金でその費用を支援する条例を制定している。

 全国では、同足立区のほか同杉並区など、ごみを強制的に撤去でき、費用を所有者に求める内容の条例を定めている自治体がある。県内でこうした私有地のごみへの対応について強制力ある条例などを整備している自治体について、県廃棄物対策課は「聞いたことがない」と話している。

 私有地の不法投棄物は土地などの所有者による処理が原則。所有者に負担する経済力がなかった場合や処理する意思がない場合は対応する方法がなく、景観への影響や防犯上の問題、異臭など、地域住民らが著しく迷惑をこうむる。

 斎藤市長によると、鬼怒川温泉のある旧藤原町は2004年、国の地域再生事業で総額30億円以上を投入し、廃業ホテルを解体して更地にするなどの整備が行われた。今回問題とされている旅館は10年以上前の廃業とみられるが、この事業を受け入れず、事実上放置された状態が続いている。

 旅館は、東武鉄道鬼怒川線・鬼怒川公園駅近くで国道に面している。建物や車庫跡にテレビや冷蔵庫などが山積みになっており、豊かな山あいにある鬼怒川温泉ならではの景観を著しく阻害。県外はもちろん、海外からも大勢の観光客が訪れるため、市は危機感を強め対応することにした。

 世界遺産を抱え「国際観光都市」を自負する日光市として、斎藤市長も「放置できない」と述べ、他の地域で同様の事態を招かぬようにと警戒感を強める。さらに、「(ごみ屋敷は)あの1件だけで終わらない。理念だけで強制力がないと守ってくれない。日光市独自の地域再生事業のようなものを検討したい」としている。

出典:読売新聞

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