大量ごみ 鬼怒川温泉廃業旅館に 不法投棄か
2012/10/04
ニュース
鬼怒川温泉(日光市)の中心街の廃業した旅館に、不法投棄とみられる家電製品などが放置され、同市が対応に乗り出した。観光地としての景観を損なうためだ。不法投棄物は土地などの所有者による処理が原則で、日光市は近く所有者と対応を協議する。
旅館は、東武鉄道鬼怒川線・鬼怒川公園駅近くにあり、10年以上前に廃業したとみられる。国道に面し、建物や車庫跡にテレビや冷蔵庫などが山積みになっている。観光客の一人は、「癒やしを求める観光地でこのような光景は見たくない」と話した。
今年6月に市に情報が寄せられ、本格的に対応を検討することになった。市によると、撤去するなどの処理は、土地や建物の所有者に責任がある。このため、今月中にも所有者と協議を始める。
ただ、放置物の中には、旅館の所有物もあり、市は「私有財産を勝手に処分することはできない」とする。このため、処分するには、まず所有者の了解を得た上で不法投棄物と仕分けしなければならず、その費用をどうするかが問題となる。
さらに、仮に所有者に負担する経済的な能力がなかった場合や、処理する意思がない時には、市が処理することも想定される。市は、「税金を使うことに市民の理解が得られるか。一定の基準を作らないと、あれもこれも処理してくれと大変なことになる」と困惑する。
市の担当者は、「イメージダウンで、景観上好ましくない。しかし、簡単に事は進められない」と、頭を抱えている。
出典:読売新聞