長野の大量産廃放置、市が撤去の代執行検討へ
2012/09/24
ニュース
長野市穂保に大量の産業廃棄物が放置されている問題で、市は22日、放置した業者らに代わって市が産廃を撤去する「行政代執行」を来年度以降に検討する方針を明らかにした。産廃を放置した産廃処理業「アクト全産」は破産手続きが完了しているため、市は排出元の事業者が判明している産廃の約2割を来年3月までに撤去し、事業者側に費用請求する方針。ただ、残り約8割の対応は見通しがつかず、地元からは再三、全量撤去を求める声が出ていた。
同日、地元の長沼地区で開いた「元気なまちづくり市民会議」で市が説明。約2割の産廃を撤去した後、生活環境への支障や危険があるかなど代執行が必要かどうかを調査する他、アクト全産に土地を貸していた土地所有者や県とも対応を協議するという。
市によると、放置された産廃は全体で約2万3560立方メートル。市はこれまで同社に処理を委託していた排出事業者の特定に取り組み、不適正な委託が確認できた47社に負担を求める形で、約2割を撤去するめどを付けた。
全量撤去にかかる費用について、市は「まだ計算していない」(廃棄物対策課)としている。代執行した場合、アクト全産などから費用回収をするが、公費負担も避けられない状況になりそうだ。
同地区住民自治協議会の伊藤市郎会長(65)は取材に「残り8割についても踏み込んだ回答を得られてほっとしている」と話した。鷲沢正一市長は「一歩一歩積み重ねてここまで来た。早急に解決すべき問題だが、まだまだ時間はかかる」と理解を求めた。
出典:信濃毎日新聞