震災ごみ「100年分」 石巻市処分場パンク必至
2011/04/11
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東日本大震災で発生した宮城県石巻市の災害ごみは、同市の年間処理量の約100年分に上る見通しになっている。撤去を請け負う業者が足りず、処理の長期化は必至。市は県外の自治体に、ごみの引き取りなどに支援を求める方針だ。
宮城県は、震災で発生した石巻市の廃棄物(船舶、自動車除く)を約538万トンと推計。同市が2009年度に処理した総量5万8300トンの約100倍の規模だ。
石巻市の試算では、トラックと重機、作業員3人の50チームがフル稼働すると、3カ月ほどで片付くが、実際には20チームも集まっていない。
処分が進まないため、一部住民は自力で市総合運動公園など3カ所の仮置き場に搬入し始めた。市は一部をリサイクルに回した上で、最終処分場に捨てる方針だが、「処分場は確実にあふれる」と危惧する。
事態の深刻化を受け、市はごみの受け入れと処分への協力を求め、東京都などと協議に入った。市は「自力では限界。全国で引き取ってもらうしかない」(市環境課)と説明している。
一般ごみも収集、処理が滞っている。石巻工業港に立地する石巻広域クリーンセンターが津波で機能が停止、収集車も流された。
資源ごみの収集も止まっており、市は「不便を強いて心苦しい。5月までには改善したい」と話している。
出典:河北新報社